広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    中国地方整備局長に就任 / 中﨑 剛 氏
    NEWSな人
    福富地区の創生プロジェクト 企業連携でモデル構築へ / 生活デザイン・工学研究所 西山 雷大 所長(マツダ特別顧問)
    24年度の広島JC理事長に 被爆100年の未来像描く / 森信建設 森信 秀一郎 常務
ニュース一覧
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スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
デルタパッケージ / 本多 立憲 社長

中区舟入川口町で軟包装製品や別注成形製品の専門商社を経営しています。先代の父が創業し、来年9月に30周年を迎えます。デザイン企画・シート開発から形状・材質選定、製造、品質管理、納入まで一貫したサポート体制が強みです。
 修道中学時代にバスケットボールを始め、現在も母校の指導者としてバスケットに携わっています。これまでのバスケ人生で特に印象深いのは、広島県代表として出場した2004年の国体(成年男子の部)です。県選抜のメンバーには、広島ドラゴンフライズ社長の浦伸嘉さん、東京アパッチや島根スサノオマジックでプロとして活躍した仲摩純平さん、3人制プロバスケチーム「福山バッツ」を立ち上げた河相智志さんらがおり、現在もそれぞれの舞台で活躍しています。
 このようなご縁がきっかけで、広島ドラゴンフライズは発足時から応援しており、今シーズンから会社としてもオフィシャルパートナーになりました。特に活躍を期待する選手はガードの寺嶋良選手です。近くの飲食店でたまたま出会い、娘が声を掛けたら非常にフランクに話してくれたので、以来、家族で応援しています。また、チームとしてカギを握るのがフィリピン代表でもあるカイ・ソット選手です。彼がけがから復帰し、試合に出続けることに加え、若手のシューターが台頭すれば、チャンピオンシップで昨年以上の結果を残すことも可能だと思います。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
プレゼン交流会の挑戦

安芸郡の矢野地区で大いに繁盛し、全国にその名を知られた「矢野かもじ」は、日本髪を結うための添え髪や入れ髪として大正時代末、全国生産の70%を占めた。戦後はかつらに使われて輸出も増えたが人毛に代わる化学繊維に押され、次第に衰退。大手の参入や安い海外品も入り、2019年には唯一の製造業者が撤退して県の伝統的工芸品、矢野かもじは途絶えた。
 10月14日にあったNPO法人広島経済活性化推進倶楽部(通称KKC)の起業家と投資家、専門家をつなぐ第51回「プレゼン交流会」で、アデランス(東京)社長の津村佳宏さん(60)が「パラダイムシフトに対応する経営」と題し、講演した。広島県出身。同社は19カ国・地域にグループ67社を擁し、23年2月期決算で過去最高の売上高860億円を計上。
 50代以上の耳にはなじみの〝パパ、アデランスにしてよかったね〟のCMで大ヒットした男性用オーダーメードのウィッグ専門店で、1968年に創業。毛髪関連の業界リーディングカンパニーとして事業領域を広げ、美容や健康分野などの新しい市場へチャレンジしている。だが、これまで決して順風満帆ではなかった。幾度も訪れた逆境をばねとし、活路を開いたエピソードが興味深い。
 KKC理事長で山下江法律事務所会長の山下江さんは、
「個人創業者は事業拡大に伴う資金調達で大きな壁にぶつかり、行く手を阻まれることが多い。いまは世界を席巻しているグーグル、アップル、フェイスブックも同じ苦難を経験し、時代の寵児となったベンチャー企業はエンジェル(個人投資家)の支援を受け飛躍を遂げている。2001年にKKCを設立した頃、起業マインドはさほど活発ではなかったが、起業を支援する国の施策もあり、急速にベンチャー企業が増えてきた。しかし起業家と投資家をマッチングする場、機会はまだ十分に整備されていないように思う。今後も社会に役立つソーシャルビジネスを前提に、意志があっても資金が乏しく起業できない人や挑戦者を後押しする活動を続けていく。年内にはプレゼン交流会をきっかけに投資、支援が決まった先が上場する運びだ。交流会は学びの場になり、若い人も積極的に参画してほしい」
 当日の交流会では、現役歯科医で合同会社なぎさ会代表の中沖泰三さんが誤嚥性肺炎予防の訓練用などに大人のおしゃぶり器具「キュアマウス」の市場拡大。広島大発ベンチャーで「広大鶏」を元に雛を飼育・販売するGallus JAPAN代表の竹之内惇さんがブランド地鶏の開発。県外から参加した筑後川ビジネスは民間初の地域創生専門放送室運営、リサスティーは業務用脱毛機レンタル事業をプレゼンテーション。 
 年3回の交流会を実施。これまでに起業を目指す206社がプレゼンに挑み、うち30社内外に総額1億数千万円の出資を実現した。
「お金は貯(た)めこんでいてもしようがない、世の中に巡り回ってこそ意味がある。リスクを承知の上で投資することも大事だと思う。起業する人は少々のことにひるまず、信念を持って全身全霊を傾ける覚悟が必要だ。たとえ挫折を経験することがあろうと志まで失ってはならない。いつか目利きに優れたエンジェルが現れる。お金は志の後からついてくる」
 一歩踏み込む勇気なくして夢はかなわない。

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